ダイヤモンド取引の仕事を長年やっていて、自分にとっては至極当たり前なことが、
一般の人から真面目に質問されて、驚くことがあります。
例えば、ダイヤモンドの寿命って60年くらいと聞いたのですが本当ですか?とか、
ダイヤモンドは劣化しないのですか?といった質問です。
質問した方は、情報源が全くわからないくて、また聞きのまた聞きだったりで、
素直にわからないから質問されているのですが、ダイヤモンドがこれだけ普及していてもまだまだ一般の人には理解されていないことが多いのですね。
それは、一般の人だけに言えることではなく、販売の現場にいる方にも「おやっ?」と感じるともあるので、ダイヤモンドに関する知識は、関係者の方は日々勉強だと思います。
ダイヤモンドの結晶構造 地球上の全物質で最も硬い存在
全ての鉱物は、異なる2種をひっかき合わせると、必ずどちらかにキズが出来ます。
ほかの全ての鉱物に傷をつけ、逆にほかの全ての鉱物がキズをつけることが最高硬度の鉱物、それがダイヤモンドです。
なぜ、ダイヤモンドは最高硬度を有する鉱物なんでしょうか?
だって、ダイヤモンドは炭素からできているのですよね?
そうです。ダイヤモンドは炭素から出来ています。
例えば、グラファイト(石墨)もダイヤモンドと同じ原料の炭素で出来ています。
でもグラファイトは、爪でキズをつけられるほど柔らかい鉱物です。
では、ダイヤモンドとグラファイトの違いは何でしょうか?
その答えは、1913年に物理学者ウィリアム・ブラックとその息子により明らかになりました。ブラック親子はダイヤモンドをエックス線で観察し、結晶をつくる原子の配列状態を調べました。
この観察によってダイヤモンドの内部で各炭素原子が、周囲四つの炭素原子と密接に、三次元的に結合していることがわかったのです。
このような状態はほかの鉱物ではみられないものです。
しかもその密度は、1立方センチメートルあたり3.5グラムとグラファイトの約1.5倍に相当します。
このち密な構造こそ、最高硬度の理由だったのです。
つまり、炭素がかたく押し固められられてできた鉱物がダイヤモンドなのです。
ダイヤモンドの結晶構造 鉱物の硬度とは
一般的な鉱物の硬度は、鉱物どうしをひっかき合わせ、どちらにキズがついたかで決める相対的なものです。
1~10の「硬度」が決められた10種類の鉱物が基準に選ばれており、これらの鉱物でひっかきながら調べるのです。
硬度1が一番やわらかく、硬度10が一番かたいのです。
考案者にちなみ、「モース硬度」とよばれます。
特にことわりなく「硬度」という場合は、モース硬度のことを意味します。
モース硬度における標準鉱物
硬度1:滑石(かっせき)
硬度2:石膏(せっこう)
硬度3:方解石(ほうかいせき)
硬度4:蛍石(ほたるいし)
硬度5:燐灰石(りんかいせき)
硬度6:正長石(せいちょうせき)
硬度7:石英(せきえい)
硬度8:トパーズ
硬度9:コランダム
硬度10:ダイヤモンド

※ダイヤモンドの原石
ダイヤモンドの結晶構造 さわるとひんやりするのは?
ダイヤモンドは各炭素原子がち密に結合しています。
このことが、さわると“ひんやり”とする性質と関連しています。
熱は原子が振動することで伝わります。ダイヤモンドの場合、原子間の結合がち密なため、一つが振動すると、それにつられて周囲の原子も振動しやすい状態です。
結果として、ほとんどの金属よりもすばやく熱を通しやすいのです。
つまり、肌から熱をうばいやすいので、ひんやり感じるのです。
まとめ
ダイヤモンドの存在は、1世紀の歴史書にも登場していますが、ダイヤモンドの材料が明らかになったのが、18世紀後半のことなのです。
つまり約1600年もの間、ダイヤモンドは何で出来ているかわからなかったのです。
1770年から90年に掛けて、フランスの化学者アントワーヌ・ラボアジエ(1743~1794)たちが、酸素中でダイヤモンドを燃やすと二酸化炭素のガスに変化するよいう現象をとらえることに成功したのです。
酸素と結合して二酸化炭素をつくる物質、それは炭素なのです。
この実験でダイヤモンドが炭素からできていることが明らかになりました。

